第1回・第2回タビノコトバで採用された作家による旅の連載エッセイ企画。
「採用作家が継続してアウトプットできる場を作りたい」
「第3回の応募者に、採用されればこんなことが起こると未来を想像してほしい」
そんな思いを込めて、連載企画をスタートさせました。
・これまでのタビノコトバを読み、この人の作品をもっと読んでみたいと思っていた人。
・第3回があれば応募してみたいと思っていた人。
・旅の文章が好きな人。
旅の文章を応募し採用された作家による書き下ろし作品を公開します。
今回はざっきーさんによるテーマ「旅の回想」:(5)最近の戯言
<連載作家>
茂木麻予:「旅で出会った人たち」
RuCoco :「あの頃の私が見た風景」
ざっきー:「旅の回想」
Miki:「あちこち旅して考えた」
黒田朋花:「空想旅行記」
連載作家の作品が掲載されたタビノコトバは、こちらから購入できます。
https://tabinokotoba.stores.jp/
年下の女の子とディズニーシーへ行って感じたこと
最近の戯言である。
先日、公休が一緒だった職場の後輩2人とディズニーシーに遊びに行った。
うち1人が二十歳の女の子。
彼女とは公私ともに仲良くする中で、こんなことを思うようになった。
「10歳も離れた年下の女の子とお付き合いをする男の気持ち、今ならわかる気がする」
三十代になれば、職場では上司はもちろん部下も付き、中堅社員として責任のある仕事も増えてくる。
上下の人間関係の板挟みになりながら、自分より上の世代の小賢しさ、したたかさ、欲深さ、大人の嘘みたいなものが否応なく垣間見えるだろう。
とは言え、社会に出るということ、お金を稼ぐということは、こういうものなのだろうと、気持ちに折り合いをつけたものの、きっと心の何処かで「いずれ自分もそういう大人になっていくのかな」「そうなったことさえ気づかぬまま、こういう世界に染まっていってしまうのだろうか」と、心に空虚感は残り続ける。
みんながみんなそうではないだろうが、私にはある。
そんな中で、「ディズニー楽しいですね」と、世の中や誰に媚びるわけでもなく純粋にそう思い、ニコニコ笑う女神が自分の目の前に降り立ったら、好きになるさかいに。
4つ離れた私でそうなのだから、10も離れたら尚更だろうと最近思うのである。
少しだけ大人目線になって考えたこと
大人になっていく過程のどこかしらで、手放したあるいは諦めざるを得なかった「無邪気である」ということを置き去りにしてから、それがいかに大切であったかということに気付く。
対照的に彼女達は、それが何ものにも代え難いということをつゆ知らず、当たり前にその色を持っている。その姿が素敵なのだ。
大人目線には微笑ましく、そして少し寂しさと懐かしさを含有しているのだろう。
できることなら、ゆっくりと大人になりたい。
日々の混沌とした生活の中で、「自分の心に正直でいる」ということを大切にしていきたい。
気まぐれに風が運んだ誰かのしゃぼん玉に目を輝かすことのできる子供達のように、世界にも正直でありたい。
若い人達が教えてくれることは沢山ある。
少なくとも「今の若い世代は」と揶揄する大人だけにはなりたくない。
連載作家の作品が掲載されたタビノコトバ
連載作家の作品が掲載されたタビノコトバは、こちらから購入できます。
https://tabinokotoba.stores.jp/
<連載作家>
茂木麻予:「旅で出会った人たち」
RuCoco :「あの頃の私が見た風景」
ざっきー:「旅の回想」
Miki:「あちこち旅して考えた」
黒田朋花:「空想旅行記」
[…] 過去の旅を巡る (2) 飛行機の旅を巡る (3) 会者定離 (4) 旅という考え方 (5) 最近の戯言 (6) […]