【二次選考を振り返る】第3回タビノコトバ|選考総評(文章部門・二次選考)

タビノコトバ

第3回タビノコトバでは、現在クラウドファンディングを実施中です。
全て自作で挑戦するクラウドファンディング、ぜひ一度サイトを訪れてみてください。http://tabinokotoba.com/crowdfunding3/

第3回タビノコトバの選考について書いた記事です。
この記事によって、選考者がどういった視点で作品を選んでいるのかをお伝えし、応募して頂いた作家さんの次回作へのヒントになれば嬉しく思います。

今回は<文章部門>の二次選考について書きました。
一次選考を通過し、二次選考に進んだ作品を紹介させて頂きます。

最終選考(前半)の記事はこちら

【最終選考を振り返る】第3回タビノコトバ|選考総評①(文章部門・最終選考・前半)

最終選考(後半)の記事はこちら

【最終選考を振り返る】第3回タビノコトバ|選考総評②(文章部門・最終選考・後半)

今後、<写真部門>の最終選考を紹介した記事を書きたいと思っています。

【第3回タビノコトバの二次選考・最終選考について】

選考日|2020年7月26日(日) 10:00〜18:00
選考工程|一次(事前)、二次、最終選考

〈選考総評〉
2020年 第3回タビノコトバ 選考者
SOGEN / KANNO / IIDA / SHIBUTANI

第3回タビノコトバの選考方法

※タビノコトバの選考方法※
文章部門の選考過程は一次、二次、最終の3段階。
それぞれが事前に作品を読み、評価を共有する一次選考。
そこからスタッフでそれぞれが良いと思った作品について全体で話し合い、作品を少しずつ絞っていく過程が二次選考。
その中から最終的に選ぶ作品を決定するというのが最終の三次選考。
つまり、誰か一人が最初に高評価としたからといって、採用されるわけではない。

第3回タビノコトバ審査総評

応募されたのは文章部門94作品、写真部門80作品となっています。
二次選考までは40作品、最終審査は16作品が残りました。

最年少は17歳、最年長は70歳からのご応募でした。

これまでの記事「【最終選考を振り返る】第3回タビノコトバ|選考総評①(文章部門・最終選考・前半)」と、「【最終選考を振り返る】第3回タビノコトバ|選考総評②(文章部門・最終選考・後半)」に詳しい内容は書きましたのでご参照ください。

【最終選考を振り返る】第3回タビノコトバ|選考総評①(文章部門・最終選考・前半)

【最終選考を振り返る】第3回タビノコトバ|選考総評②(文章部門・最終選考・後半)

第3回タビノコトバ審査総評・二次選考(文章部門)

一次選考通過者(24作品)+最終選考通過(16名)

①.ふなつさくら (帰る理由)
②.akacho (奇跡のはなし)
③.ガンセキ (星涙の夜)
④.Sao (旅の向こう側)
⑤.佐藤ひな (面影を探して)
⑥.雅坂 鄕 (ひとりたび)
⑦.佐伯 真依 (旅の終わりに)
⑧.本間高大 (人生山あり、母あり)
⑨.中野谷つばめ (Home)
⑩.香川亮 (少しだけ正直になれた)
⑪.cham (パンドラの箱)
⑫.しののめ (おかえり)
⑬.釛子ふたみ (君亡き世に)
⑭.ゆうこ (息の音)
⑮.葛江良成 (二人の物語)
⑯.須田凛音 (相棒と駆けた旅路)
⑰.奥村結希 (1+1=)
⑱.吉田 旺玉 (お山に行く)
⑲.香住 多喜 (シリアの友に捧ぐ)
⑳.Kayo (届いたもの)
㉑.凌霄花 (生きる力をくれた旅)
㉒.冴木 秋佳 (ハートに火をつける旅)
㉓.柳田知雪 (Remember)
㉔.高菜汁粉 (日常を抱えて)

SOGEN

一次選考を通過し、二次選考に進んだ作品は40作品で、そこから最終選考に通過したのは16作品でした。惜しくも最終選考に進めなかった作品が24作品あったので、作家名とタイトルを紹介したいと思います。
本当に素晴らしい作品を送って頂きましたからね。今後も作品づくりを続けて頂けるきっかけになればと思い、二次選考に残った作品の良かった点を紹介させて頂きます。

SHIBUTANI

 

最終選考の選評を書いた記事(前半)はコチラ

【最終選考を振り返る】第3回タビノコトバ|選考総評①(文章部門・最終選考・前半)

最終選考の選評を書いた記事(後半)はコチラ

【最終選考を振り返る】第3回タビノコトバ|選考総評②(文章部門・最終選考・後半)

①.ふなつさくら (帰る理由)

タビノコトバ

「こうして知らないことを知ることが、旅であり、わたしの生き方なんだろう」という文章が響きました。
最後の締め方も余韻が残り、とても良かったです。

②.akacho (奇跡のはなし)

タビノコトバ

言葉の選びや感じたことをまとめているのはとても良い部分ですね。akachoさんだからこそ書ける文章・エピソードがあると、作品からakachoさんの顔が見えて、更に良くなる可能性を感じます。

③.ガンセキ (星涙の夜)

タビノコトバ

作品の前半部分はとても引き込まれました。後半は、世間一般の美しい言葉を探すよりも、自分自身が感じた想いの根源を深めると、より共感を得られる言葉を綴ることができるような気がします。

④.Sao (旅の向こう側)

タビノコトバ

「一人旅は決してひとりではなかった」など、旅を通してSaoさんが感じたことは文章に綴られていて、とても興味深く読めます。
10年前に海外を旅する勇気をくれたある人を想い出して、その人がいなかったら旅をしていなかったかもしれない、という強い文章もあるので、その考えに至ったことが書かれていると、より共感を得られるような作品になるように感じます。

⑤.佐藤ひな (面影を探して)

タビノコトバ

とても想像力が膨らむ作品です。
「明日からはまた日常に戻るけれど、これからは1人でどこだって行ける」というメッセージがとても良いですね。
もう少し父に関するなにかを深めると、作品の奥行きが深まるように感じます。

⑥.雅坂 鄕 (ひとりたび)

タビノコトバ

瑞々しい作品で、文章から世界がぐんぐんと広がっていっていることがとてもよく伝わってきます。
まとめが少し唐突なので、まとめのための伏線や流れが文章にあると更に良い作品に変化していくように感じます。

⑦.佐伯 真依 (旅の終わりに)

タビノコトバ

素晴らしい一日を、充実した旅をしたことが伝わってくる作品です。
「何となく明日も同じような日になると思っている自分。何気なく過ごしている日々。けれども、どんな明日になるのかなんて、本当はわからないのだ。わくわくすることは、明日訪れるかも知れないのだ。
この旅を終えて、私は今までよりも少し、明日を信じられるようになった気がする」
とても前向きにさせてくれる、まとめの文も印象的でした。

⑧.本間高大 (人生山あり、母あり)

タビノコトバ

文章に勢いや荒々しさがあり、審査員の1人が一次審査でとても高く評価していた作品でした。
その荒々しさに丁寧さが加わると、更に作品としての質が上がるように感じます。

⑨.中野谷つばめ (Home)

タビノコトバ

言葉の選択や、状況描写の丁寧さなど、文章の上手さを感じます。
ただ、どこか自分の手の中にないような印象を受ける作品で、さらに引き込まれるような文章になるには?ということを追求すると作品の質が更に上がるように感じます。

⑩.香川亮(少しだけ正直になれた)

タビノコトバ

伝えたいことが明確で、読んでいてとても気持ちのよい作品です。
「世界は会社だけでも教室だけでも無い」と感じた部分は、きっとサッカー場に行ったことだけから感じたはずではなくて、そう感じた自分の深層心理をもう少し掘ると、更に共感を得られる作品になるように感じます。

⑪.cham(パンドラの箱)

タビノコトバ

情景描写が丁寧と、感情をとても上手に拾っている作品です。
確かな文章力がある作家さんなので、他のテーマの作品も読んでみたくなりました。

⑫.しののめ(おかえり)

タビノコトバ

この作品で書きたかったこと・伝えたかったことが明確で、そのメッセージに強く共感しました。
「旅先のアウェーな空気」などの表現がありましたが、ブログではこの言葉の選択で良いかもしれませんが、文章作品として発表する時には言葉の選択をもう少し考えると作品の質が上がるように感じました。

⑬.釛子ふたみ(君亡き世に)

タビノコトバ

言葉の力が強く、心の声が伝わってくるような詩です。旅に出ることで思い出が深まり、更に強く悲しみを実感するような感情が伝わります。
前半と後半の対比も美しい。直接的な表現だけではなく、なんだろう?と思わせるような言葉の選択があるといいように感じます。

⑭.ゆうこ(息の音)

タビノコトバ

大切な気づきを得た旅だったことが伝わってくる作品です。
最後の締め方に、自分が思ったことをドンと書くのも良いですが、読者もなにかを想像したくなる、考えたくなるような余白があると読後の余韻がある作品になりそうですね。

⑮.葛江良成(二人の物語)

タビノコトバ

物語の設定がおもしろく、「国境に小さな町があった」という冒頭文もワクワクさせられます。
ただ、物語の視点がわかりにくく、「女」や「男」が興味深いキャラクターだけに活かしきれていないのも残念です。
この物語の続きやもっと深い部分を読みたくなった作品です。

⑯.須田凛音(相棒と駆けた旅路)

タビノコトバ

情景描写が丁寧で、場面が頭に浮かんでくるような作品です。相棒を手にしたことの喜びがとても強く伝わってきます。
少々一文が長い傾向にありますね。客観的な視点に立ち、時間を空け、何度もご自身の作品を読み返す作業をすると、読者目線で更に読みやすい作品になるように感じます。

⑰.奥村結希(1+1=)

タビノコトバ

とても美しい写真が添付されていました。温かく優しい言葉が綴られており、写真と言葉がよく合う作品です。
最後の締め方がちょっと唐突なので、そこに着地するまでの道筋を作っていくと、写真と文章作品として完成されていくように感じます。

⑱.吉田 旺玉(お山に行く)

タビノコトバ

身近にある精神性の旅が表現された作品です。
移動距離は短くても、心ひとつで旅が深まることを感じさせてくれるような感覚になります。作者の顔や心が見えると、読者の共感が得られるように感じます。

⑲.香住 多喜(シリアの友に捧ぐ)

タビノコトバ

シリアに対する熱い思いが伝わってくる作品です。反面、熱い思いが強すぎるので、自分の思いを綴った日記のような作品になってしまい、読者は置いてけぼりになってしまうような気がします。客観的・俯瞰的な視点から読者目線を想像すると更に作品の質が上がるように感じます。

⑳.Kayo(届いたもの)

タビノコトバ

最初の出だし三行がとても良く、想像が膨らみ、読み始めから期待した作品です。
ただ、中盤が個人の日記のようになってしまい、なにが起きた、こんなことがあった、というような描写になってしまったのがもったいなく感じました。鞄の伏線をもっと活かせられると、更に作品の質が高まるように感じました。

㉑.凌霄花(生きる力をくれた旅)

タビノコトバ

1つの旅が、作者にとって大きな方向転換になったことが描かれており、とても共感できる作品です。
作者の苦しみや母の温かさが強く伝わる点や、最後の締め方が力強い点もとても良いです。
お節介かもしれませんが、ぜひ、お母さまにこの作品を読んで頂きたくなりました。

㉒.冴木 秋佳(ハートに火をつける旅)

タビノコトバ

「帰りの電車の中、車窓を流れる田園風景を眺めながら考えた。あと何回、撮影に出られるだろう」
この文章、まさにそうですよね。作者にとって大切な旅だったことが伝わってくる作品でした。

㉓.柳田知雪(Remember)

タビノコトバ

読んでいてその場のドキドキ感が強く伝わってくるような甘酸っぱい作品です。
「旅の終わりに」というテーマとも強く合っていました。
個人的な日記のような物語で終わらず、読者がなにかを考え、感じられるような着地点があると更に作品としての質が高まるように感じました。

㉔.高菜汁粉(日常を抱えて)

タビノコトバ

作者の体験から得た気づきが描かれていて、読者としても共感できる作品です。
最後の締め方に読者の想像の余白を作ると、更に作品としての質が高まるように感じました。

第3回タビノコトバの採用作家を発表

一次選考を通過し、二次選考に進んだ作品を紹介しました。

二次選考で落選してしまった方にも、一次選考を通過したことを伝えたいと思っていました。また、作品について私たちがどう捉えたのかを伝えることで、次の作品を生み出すきっかけになるのではないかと考え、この方法をとらせて頂きました。

失礼に聞こえる部分もあるかもしれませんが、私たちなりに精一杯選考をさせて頂きました。応募頂き、誠にありがとうございました!

関連する記事

最終選考(前半)の選評記事はこちら

【最終選考を振り返る】第3回タビノコトバ|選考総評①(文章部門・最終選考・前半)

最終選考(後半)の選評記事はこちら

【最終選考を振り返る】第3回タビノコトバ|選考総評②(文章部門・最終選考・後半)

第3回タビノコトバでは、現在クラウドファンディングを実施中です。
全て自作で挑戦するクラウドファンディング、ぜひ一度サイトを訪れてみてください。http://tabinokotoba.com/crowdfunding3/

【第3回タビノコトバ募集要項】

【第3回タビノコトバ募集要項】旅の文章・写真を本にまとめて展示会を開催

タビノコトバ

第3回タビノコトバでは、現在クラウドファンディングを実施中です。
全て自作で挑戦するクラウドファンディング、ぜひ一度サイトを訪れてみてください。http://tabinokotoba.com/crowdfunding3/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です