第1回・第2回タビノコトバで採用された作家による旅の連載エッセイ企画。
「採用作家が継続してアウトプットできる場を作りたい」
「第3回の応募者に、採用されればこんなことが起こると未来を想像してほしい」
そんな思いを込めて、連載企画をスタートさせました。
・これまでのタビノコトバを読み、この人の作品をもっと読んでみたいと思っていた人。
・第3回があれば応募してみたいと思っていた人。
・旅の文章が好きな人。
旅の文章を応募し採用された作家による書き下ろし作品を公開します。
今回はざっきーさんによるテーマ「旅の回想」:(2)飛行機の旅を巡る
<連載作家>
茂木麻予:「旅で出会った人たち」
RuCoco :「あの頃の私が見た風景」
ざっきー:「旅の回想」
Miki:「あちこち旅して考えた」
黒田朋花:「空想旅行記」
連載作家の作品が掲載されたタビノコトバは、こちらから購入できます。
https://tabinokotoba.stores.jp/
旅が好きで飛行機が好きなのか、飛行機が好きで旅が好きなのか
世の中には様々な乗り物が溢れている中で、格別に飛行機が好きだ。
旅が好きだから飛行機を好きになったのか、飛行機が好きだから旅を好きになったのか定かではないが、私にとって飛行機は幾つになっても不思議な魅力をまとっている。
よく私たちの人生は、列車と駅に例えられることが多いと思う。
人生の旅路を列車に、ターニングポイントを駅に例えてある人の一生を表現する。
音楽や小説でもよく見かけるし、私自身この比喩の趣深さがとても心地良い。
飛行機好きの私による飛行機論
さて、ここからは私の独自の持論になるが、列車が人生の象徴ならば、飛行機は時間の象徴だと思う。
とりわけ飛行機が離陸する様があてはまる。
美しく力強くて、そしてその奥になんとも言えない切なさがある。
それが時間にとても似ている。少なくとも私はそう思う。
ドアが閉まり飛行機が滑走路を進み始めたら、旅人の気持ちがどうであれ、もう引き返せないのである。一度飛行機が滑走路を離れたら「先へ」行くしかない。
決して後ろを振り返りはしない飛行機の潔さは、一定方向に流れ続ける時間の意志の強さと重なる。
どんどん高度を上げ、青い空へ小さくなっていく飛行機の後ろ姿や、機窓から小さくなっていく景色を見つめていると、もう後戻りはできず過ぎ去ってしまった時間を焦がれるような気持ちになる。
旅を重ねる度に、私はそんな気持ちになり、気付けばさらに飛行機の虜になっていった。
飛行機から未来を考える
向かい風の中で飛行機はどんな気持ちなのだろう。
雨の日でも風の強い日でも、大翼を広げ悠然と構える飛行機に不安なんてあるのだろうか。
私自身はどうだろう。
時間に追われることなく主体的に自分の時間を生きているだろうか。そんなことを考えながら飛行機雲をなぞらえる。
遠くで微かに聞こえた飛行機のエンジン音に、「うかうかしている暇はないぞ」と背中を押された気がした。
連載作家の作品が掲載されたタビノコトバ
連載作家の作品が掲載されたタビノコトバは、こちらから購入できます。
https://tabinokotoba.stores.jp/
<連載作家>
茂木麻予:「旅で出会った人たち」
RuCoco :「あの頃の私が見た風景」
ざっきー:「旅の回想」
Miki:「あちこち旅して考えた」
黒田朋花:「空想旅行記」
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